RIOT ACT


RIOT ACT
RIOT ACT (1DVD-R)
Shades [Shades 1329]

[メーカーインフォ]
GUNS史上……いえ、ロック史上の大事件として記憶されている「リバーポートの暴動」。その象徴となるプロショットが登場です。
次元の現場となったのは「1991年7月2日セントルイス公演」。アルバムの発売を待たずに始まった“USE YOUR ILLUSION Tour”での事でした。ツアーはメンバー・チェンジもはらみながら約2年半続いたわけですが、本作のセントルイス公演は序盤も序盤。まずは事件のあらましを理解する意味でも、「怪物の再始動」にシーンが揺れた1991年のスケジュールから振り返ってみましょう。

・1月20日+23日:ROCK IN RIO II(2公演)
・5月9日-8月3日:北米#1(41公演) ←★ココ★
・8月13日-31日:欧州(7公演)
《9月17日『USE YOUR ILLUSION I&II』発売》
《11月イジー脱退→ホーン含み13人編成に》
・12月5日-31日:北米#2(9公演)

【大乱闘の瞬間も目撃できるマルチカメラ・プロショット】
これが1991年のGUNS N' ROSES。シーン最大の怪物となったGUNSは、伝説フェス“ROCK IN RIO II”出演から再始動。その後、母国アメリカを巡り始めたわけですが、本作のセントルイス公演はその「北米#1」の26公演目にあたるコンサートでした。
このショウは別段テレビ放送の予定もなかったのですが、GEFFENレコードによってマルチカメラ撮影。暴動を伝えるニュース番組や「Welcome To The Jungle」のPVで(一部だけ)使用された事でも有名なのですが、本作はその長尺版。後日になって「暴動事件が観られる」という事で関係者から流出したのです。本作最大のポイントは衝撃すぎる暴動の現場記録なわけですが、そこに至るまでのライヴも素晴らしい。会場の状況が分からないので断言はできませんが、アクセルとスラッシュのウェスト・アップが多用された映像から察するにスクリーン用。「オフィシャル級」というほど作り込み感はないものの、曲想に沿ってアングルが切り替わるカット割りも素晴らしく、イジー脱退前の全盛GUNSのショウが楽しめる。暴動が起きてしまうためにフルショウとはいきませんが、本作で期待できるレパートリーは……

●アペタイト・フォー・ディストラクション(2曲+α)
・Mr. Brownstone/Welcome To The Jungle/Rocket Queen(中断)
●ユーズ・ユア・イリュージョン(8曲)
・I:Perfect Crime/Live And Let Die/Dust N' Bones/Double Talkin' Jive/November Rain
・II:You Could Be Mine/Civil War/14 Years
●その他
・Patience/Godfather Theme

……と、このようになっています。これだけでもお宝ではあるものの、本作の真価はやはり暴動。ことの始まりは「Rocket Queen」の演奏中、アクセルが無断で写真撮影していた観客を見つけたことでした。アクセルは現場の警備員に止めさせるよう指示しますが、この警備員はアクセルを無視して何もしなかったため、キレたアクセルが客席に飛び込んで(撮影していた観客を? 警備員を?)殴りつける。ステージに戻ったアクセルは警備員に「役立たずな警備員、ありがとよ! 俺は帰るからな!!」と叫びながらマイクを叩きつけ、ショウが終わってしまうのです。

【約26分に及ぶ大事件の現場映像と2種のTVニュース】
ショウの終了をもってマルチカメラ撮影も終わるのですが、圧巻なのはその後。この突然のショウ終了に怒ったのが現場の観客たちが大ブーイングを巻き起こし、それが暴徒へとエスカレート。機動隊も出動する事件へと発展し、負傷者80名、逮捕者16名、120万ドルの被害となる大暴動になってしまうのです。そして、その現場ではマルチカメラ撮影は終わっているものの、スタッフがハンディ・カメラで撮影。本作は、その生々しい映像も記録されているのです。最初は憮然・騒然なムードでコップのような物がステージに投げ込まれますが、それがそのうち会場には金属的な破壊音が鳴り響き、金属イスや鉄パイプ、何か板のようなものまでが宙を舞う。なんとかなだめようとするアナウンスがされるもの、まったくの逆効果にしかならず、絹を裂く悲鳴と怒号が入り交じり、スタッフはメンバーを逃がそうと奔走する。さらには、怒り狂った大群衆がステージによじ登り始め、それを阻止しようと放水で押し返す……。放水vsイス攻撃の押し問答が続くうち、警備員たちでさえ危険になり、器材もセットも一切合切放置して退去せざるを得なくなります。まさに修羅場……と言いますか、戦場のよう。「もうダメだ」の判断で一斉に退去する際のムードは、戦争で退却する部隊のようですし、その場に踏ん張り、ついにステージを占拠する観客まで映している根性は戦場カメラマンのそれです。
 カメラは、騒ぎがひと段落した会場風景も見せてくれますが、その時もサイレンが街中を駆け回り、ヘリの飛行音が頭上を旋回する。そして、目の前には津波か地震にでも襲われたように瓦礫の山となったステージが映し出される。途方に暮れて力なく笑うしかないスタッフの表情も含め、歴史的大事件の現場が目の前に繰り広げられるのです。

そして、ダメ押しなのが暴動事件を伝えるニュース番組2種。本編の現場撮影では観られない救急搬送されるファンや現場を体験した観客インタビュー、ヘリからの会場全景(警官隊が列を成して会場を囲んでいます)、完全に他人事として冷静に伝えるキャスター等々が超リアル。本編映像も使用されており、客席にダイブして殴っているアクセルの姿も思いっきり報道されている。いかに衝撃的な事件だったのか、圧倒的な現実感で描かれていくのです。
ロック史に黒い染みのように刻まれている「リバーポートの暴動」。その証拠映像として知られるプロショットと、ハンディ・カメラによる暴動現場の超リアル体験。さらに、その衝撃が広がっていく様を活写したニュース番組まで網羅……これだけの事件を引き起こすほど現場を熱狂させていたGUNS N' ROSESの魅力も含め、丸ごと最高峰体験できる1枚です。ロック史上最大級の事件作。どうぞ、この機会に心ゆくまで存分にお楽しみください。

★暴動の夜として有名な「1991年7月2日セントルイス公演」のマルチカメラ・プロショット。写真撮影していた観客を見つけたアクセルが客席に乱入してショウが途中で終了してしまい、それをキッカケに暴動が発生。負傷者80名・逮捕者16名を出す惨事となりました。本作は、そのショウ本編から乱闘の現場もマルチカメラで観られる他、スタッフがハンディ・カメラで撮影した暴動現場を約26分間、さらに体験者インタビューや救急搬送されるファンも映るTVニュース番組も収録。ショウ本来の魅力も含め、歴史的な夜を丸ごと最高峰体験できる1枚です。

(116:54)
1. Intro
2. Perfect Crime
3. Mr Brownstone
4. Live And Let Die
5. Dust N' Bones
6. Axl MC
7. You Could Be Mine
8. I Was Only Joking (intro)/Patience
9. Axl MC
10. Double Talkin' Jive
11. November Rain
12. Axl MC
13. Welcome To The Jungle
14. Guitar Solo #1/Voodoo Child (intro)
15. Civil War
16. 14 Years
17. Drum Solo
18. Guitar Solo #2
19. Godfather Theme
20. Rocket Queen (aborted)
21. Riots
22. TV News Report

W. Axl Rose - Vocals
Slash - Guitar
Izzy Stradlin - Guitar
Duff McKagan - Bass
Matt Sorum - Drums
Dizzy Reed - Keyboards

PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.117min.