DISC 1-2
1992.06.23 Feyenoord Stadium, Rotterdam, Holland
[メーカーインフォ]
『USE YOUR ILLUSION I/II』で各国チャート1・2フィニッシュを決め、ロック史上最大の怪物ぶりを見せつけた90年代初頭のGUNS N' ROSES。その現場を極上クオリティで体験できる新名盤が登場です。
そんな本作に吹き込まれているのは「1992年6月23日ロッテルダム公演」。その強力オーディエンス録音です。“USE YOUR ILLUSION Tour”と言えば怪物GUNS N' ROSESの絶頂時代であり、2年半にわたって全世界をくまなく魅了したモンスター・ツアーでした。時期によってメンバーも意義も変わっていきましたので、まずは全景を俯瞰して本作のポジションを確かめてみましょう。
●1991年
・1月20日+23日:ROCK IN RIO II出演(2公演)
・5月9日ー8月3日:北米#1(40公演)←※公式LIVE IN NEW YORK
・8月13日ー31日:欧州#1(7公演)
《11月:イジー脱退→ホーン含み13人編成に》
・12月5日ー31日:北米#2a(9公演)
●1992年
・1月3日ー2月1日:北米#2b(14公演)
・2月19日ー22日:日本#1(3公演)←※公式映像
・4月1日ー9日:北米#3(4公演)
・4月20日ー7月2日:欧州#2(19公演) ←★ココ★
・11月25日ー12月13日:南米#1(8公演)
●1993年
・1月12日ー2月6日:日本#2/オセアニア(6公演)
・2月23日ー4月28日:北米#4(29公演)
・5月22日ー7月13日:イスラエル/欧州#3(25公演)
・7月16日+17日:南米#2(2公演)
これが1991年ー1993年のGUNS N' ROSES……と言いますか、次に活動を再開するのは2001年ですから、ほぼ「90年代のGUNS」と言ってもいいでしょう。本作のロッテルダム公演は、そのド真ん中にあたる「欧州#2」の16公演目にあたるコンサートでした。
このショウは以前から名録音が残された事でも知られてきましたが、本作は最近になって発掘された新マスター。話題の名手「Stephane」氏の大元カセットからデジタル化された銘品なのです。このStephane」氏こそ、現在HR/HM系コレクターの注目を独り占めしている人物。80年代末期から90年代初頭にかけて活動していた録音家で、その大元マスターを大量に公開している。当店でもIRON MAIDENのプレス名盤『DEFINITIVE PARIS 1993(Zodiac 469)』を筆頭にSCORPIONSやMOTLEY CRUE、BON JOVI、WHITESNAKE、QUEENSRYCHE等々、幾多の録音をリリース。そのすべてがツアーを代表する名作ばかりという凄まじいコレクションなのです。本作は、そんな名手によるGUNS N' ROSES。時代的にGUNSも録音しているだろうとは思っていましたが、本当に出てきたのです……。
そんな待望の本作は、期待を裏切らない業物。さすがに5万人収容のスタジアムだけあってサウンドボードと間違えるようなド密着感ではありませんが、かと言って遠くもない。透き通った空間を貫く芯は力強く、ディテールも輪郭もくっきり。ホール鳴りも吸い込んではいるのですが、その空気感がなんと申しますか「乾いて」いるように感じる。ウォームでしっとりとした鳴りではなく、カラッとしていてキリッと端麗なのです。しかも、本作はそんな名録音の最高峰更新盤。原音自体が大元カセットの瑞々しさに溢れているわけですが、音楽作品的には高音の伸びが今ひとつ詰まってもいた。そこで本作では帯域毎に分析した上でバランスを調整。よりヌケの良いサウンドを実現しているのです。
さらに言えば、現場の熱狂がリアル。オランダではデビュー直後の1987年に1回ライヴをやっただけで、本作は2回目。5年ぶりに戻ってきたGUNS N' ROSESは見違えるほど巨大になっており、欧州各地から押し寄せた観客でスタジアムもパンパン(Stephane氏も普段はパリで活動している録音家です)。その大合唱や声援が巨大で、もの凄いスペクタクル。あくまで演奏音が主役の座を譲らないものの、絶頂時代だけの現場感もたっぷりと味わえるのです。
そして、そんな熱狂を弾き出す全盛のフルショウこそが肝心。ここでそのセットも整理しておきましょう。
●アペタイト・フォー・ディストラクション(5曲)
・It's So Easy/Mr. Brownstone/Welcome To The Jungle/Sweet Child O'Mine/Paradise City
●ユーズ・ユア・イリュージョン(8曲)
・I:Live And Let Die/Bad Obsession(★)/Double Talkin' Jive(★)/November Rain/Don't Cry
・II:Civil War/You Could Be Mine/Knockin' On Heaven's Door
●その他(2曲+α)
・Attitude/Patience/Godfather Theme
※注:「★」印は2016年の再編以降まで封印されてしまった曲。
……と、このようになっています。今でも演奏される名曲・代表曲がズラリと並んでいますが、「Double Talkin' Jive」はその後23年、「Bad Obsession」は30年も封印されていたナンバー。スラッシュやダブが揃ったからこそ復活した曲であり、90年代の象徴でもあったわけです。
また、本作はMCも面白い。どうやらアクセルは1つ前のスイス公演でノドに不調を感じたらしく、この日はショウの前に治療。そのせいで遅刻したそうです。ところが開園が遅れたことでオランダ警察が「11時半に電源を切る」と通告。どう考えてもアクセルが原因なのですが、「もし本当に電源が落ちたら、好きなだけ暴れてくれ。オランダ警察のせいなんだからな!」と言ってしまうのです。もっとも実際に電源が落とされる事態にならず、アクセルも快調。ショウも大いに盛り上がり、終盤の「Knockin' on Heaven's Door」ではアクセルも観客に感謝。「おまえら、14万人のROCK IN RIOよりスゲェ声だったぜ!」と語っています。
まさに全盛。これぞ絶頂。そんなムードがスピーカーから吹き出すグロリアスなライヴアルバムです。黄金時代の薫りを名手コレクションの大元カセットから復刻させた銘品。どうぞ、胸いっぱいに吸い込んでください。
★「1992年6月23日ロッテルダム公演」の強力オーディエンス録音。話題の名手「Stephane」氏の大元カセットからデジタル化された銘品で、透き通った空間を貫く芯は力強く、ディテールも輪郭もくっきり。さらに現場の熱狂がリアル。大合唱や声援が巨大で、もの凄いスペクタクル。絶頂時代だけの現場感もたっぷりと味わえるタイムマシン・アルバムです。
Disc:1 (73:54)
1. Intro
2. It's So Easy
3. Mr. Brownstone
4. Live and Let Die
5. Attitude
6. Bad Obsession
7. Welcome to the Jungle
8. Wild Horses (Intro)
9. Patience
10. Double Talkin' Jive
11. Civil War
12. It's Alright (Intro)
13. November Rain
Disc:2 (57:09)
1. You Could Be Mine
2. Axl Speaking - Band Introduction
3. Matt Sorum Drum Solo
4. Slash Guitar Solo
5. Godfather Theme
6. Sweet Child o' Mine
7. Only Women Bleed (Intro)
8. Knockin' on Heaven's Door
9. Don't Cry
10. Mother (Intro)
11. Paradise City
Feijenoord Stadion, Rotterdam, Netherlands 23rd June 1992