[メーカーインフォ]
クイーンがフレディ死後の1992年4月20日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムにて開催した「フレディ・マーキュリー追悼コンサート」を当時の国内オリジナル放送から収録。
残されたメンバー3人が中心となり、フレディの追悼とエイズに対する認識や注意、偏見での差別、撲滅を人々に呼びかける事が目的のチャリティー・コンサートとして行なわれ、全世界70ヵ国で放送(中継を含む)、約10億人が観たと言われていますが、今回リリースするのは某衛星放送で同年11月24日(フレディの命日!!)に放送されたオリジナル日本放送版を、保存状態良好のビデオテープからダイレクトにDVD化。トータル4時間20分に渡って楽しむことが出来ます。
コンサートの模様は、この放送日前日にイギリスでオフィシャルビデオ(以下オフィシャル)が発売(アメリカは翌年4月20発売、コンサートの1年後)されましたが、作品として鑑賞に耐えられる様、全編に渡りカメラワークの見直しと音声ミキシングをやり直した完全な"別物"であり、この放送版との違いを比較すると、カット割りが細かく当日中継カメラのスイッチングで映る事のなかった貴重なシーンが捉えられている事です。例えば、Tie Your Mother Downでジョー・エリオットが「スラ~ッシュ」、Hammer To Fallではゲイリー・シェローンが「ブライアン・メェ~イ」と叫ぶところや、I Want It Allのエンディングでロジャー・ダルトリーが振り回すマイクのケーブルがブライアンのギターに引っ掛かりお互いに顔を見合わせニヤリとするところなどを見る事が出来ます。スタジアム全体でオーディエンスが盛り上がるカットも多用して高揚感を高めています。音声に関してもTie Your Mother Downの歌い出しでブライアンの「Get Your~」の部分が聞こえなかったり、Las Palabras De Amor(The Words Of Love)のイントロやStone Cold Crazyの間奏での演奏ミスなどが見事に修正されています。よって当然オフィシャルに軍配が挙るのですが、失敗出来ない中継だという事で少しでも見所を取り逃さないために画角を広く撮った無難なディレクションの放送版も必見です。
そして何より本作最大の売りは、オフィシャルでカットされてしまったロバート・プラントが歌うInnuendoを収録している事です。クイーンとしても唯一のライヴテイクであるので、この高画質で見ることが出来るのはファンとしては嬉しい限りです。その他にも、共演ミュージシャン側の要望・時間的制約によりカットされてしまい、未だにここでしか見ることが出来ない曲を数曲含みます。また間延びしない様に曲間をカットしている部分がありますが、こちらの放送版はカットが少ないなどの長所もたくさんあります。是非皆様で見比べて違いを発見してみて下さい。
1992年当時、まだ世界的にワイドテレビが普及していない事もあって、画面比4:3のスタンダードサイズで中継・収録されましたが、2002年のDVD化以降ワイドテレビに対応するため、上下をカットしブロー・アップした16:9の疑似ワイド映像になってしまったので、画面全体を捉えたドキュメント性ではこちらの方が貴重です。
以上の理由によりオフィシャルで決定版がリリースされた以上、この放送版が2度と再放送されることはありません。(以後2002年版のDVD、2013年版のBlu-ray, DVDも1992年版のマスターが大元になっています。先日の同局の再放送も2013年版のDVDマスターが元になっていました。)
しかもこの放送版は、日本でのオンエアまで時間が空いたからか、多少の直しが入ったリテイクが素材になっているようで、中継時のものと違いが発見できます。Las Palabras De Amor(The Words Of Love)のイントロでの演奏ミスを修正し、Innuendoのイントロでのロバート・プラントのマイクオフ状態が僅かながら解消されています。しかし、Stone Cold Crazyの演奏ミスはそのままなのが謎です。これは推測に過ぎませんが、本格的な直しが入る前段階の素材であり、「取りあえずの間に合わせ」で送られたのが元になっているのかも知れません。(まぁイントロ部分ならともかく、曲中でここまで派手に間違えていたらこの段階では直しようが無かったのでしょう・・・)
コンサート前半、グループの入れ替えの際の"インターバル"にはフレディやメンバー、参加したミュージシャンのインタビュー、クイーンのライヴやプロモクリップなどの映像がスタジアムのスクリーンに映し出されており、セッティングに伴う中断中にもショーは続いているという趣旨のプログラム進行で、決してロックフェスでありがちなトイレタイムや軽食タイムといった"インターミッション"ではなく最後までノンストップです。まさに"The Show Must Go On"なのです。
それではディスクを再生してみましょう。
いきなりオフィシャルでは見れない「フレディ・マーキュリー追悼コンサート」「THE FREDDIE MERCURY TRIBUTE」という当時らしいタイトルが流れ、この段階でグッとくるファンも多いのではないでしょうか。この部分の4分間の冒頭オープニングは日本放送独自のものであり、1992年2月12日の「BRIT Awards」におけるブライアンとロジャーの言葉、そして会場の下見シーンは雰囲気を大いに盛り上げてくれる抜群のオリジナル・イントロダクションと言えるでしょう。ブライアンの「天気は上々、雨は降らないよ。神様はフレディの味方さ。最高の日になるよ。」と言う言葉から、お馴染みのBohemian Rhapsodyのプロモクリップからスタートする抜群の編集はここだけでしか見れません!騒然とした雰囲気のウェンブリーのステージに立つ残された3人のメンバー。珍しくジョン・ディーコンの紹介でスタートするメタリカのショーは圧巻の一言。Enter Sandman開始2分目あたりで放送時のトラブルか放送用マスターに起因する一瞬のカットがありますが、その部分の音声は補整しました。インターバルを挟んで登場したのはエクストリーム。最初の14分でクイーンの名曲メドレーを演奏し、会場をこれ以上ない程に盛り上げます。その後、ゲイリー・シェローンとヌーノ・ベッテンコートの2人でLove Of My Life、More Than Wordsをアコースティック演奏しますが、この名ライヴはオフィシャル未収録。放送版でしか見れないので前半の大必見パートになっています。デフ・レパードもオフィシャルに収録されているのはブライアンが登場するNow I'm Hereのカバー演奏のみで、Animal、Let's Get Rockedはこの放送版でしか観れません(ヴィヴィアン参加後の最初期の公式ライヴ!)。スパイナル・タップも演奏前に演奏時間よりも長いジョーク(MC)で笑いをとっていたがThe Majesty Of Rockも含め、丸々カット。同じくビデオスクリーンに衛星中継されたU2のUntil The End Of The World、マンゴ・グル―ヴのSpecial Star(こちらは南アフリカのヨハネスブルグから衛星中継)もカットされています。オフィシャルにも収録されているガンズ・アンド・ローゼズ、そして感動的なエリザベス・テイラーのスピーチは完全に収録されていますが、これだけ重要なドキュメントライヴは、ゲストパフォーマーの演奏の全ての演奏は勿論、数々のクイーンの名曲が観れる曲間インターバルも含めた、その全てが重要であり、ファンにとっては必携・必見であることは間違いないものと思われます。
クイーンが多彩なゲストと競演したショー後半の「QUEEN」のライヴパートは一曲ごとに解説してみましょう。
1.Interval
ステージの正面と左右のスクリーンに映し出された、フレディの「Day-O」の掛け声に観客が答えるところからスタート。徐々に盛り上がっていき、オーディエンスのテンションがマックスになったところでフレディの声が響き渡り、続けざまに次曲のイントロがスタートする最高のオープニング。
2.Tie Your Mother Down
ここからクイーン名義で3人が揃って演奏する最後と思われたショーが始まる。(実際には1997年1月17日パリでのエルトン・ジョンとの共演が最後。)絞り出すように歌うブライアンのボーカルが切なさを感じる。彼が作ったこの曲を歌うのを世界中で大勢の人々がほぼ初めて観たと思える瞬間だ。(以前にも1990年12月7日クイーン・ファン・クラブ・クリスマス・パーティ出演時、ロジャーのバンドザ・クロスをバックに、1991年10月19日セビリア・エキスポ '92 ギター・フェスティバルでも歌っている。)2番からはジョー・エリオットがボーカルを代わりスラッシュのギターとともにハイテンションのステージングを見せ、一曲目からとばします。クイーンのステージ同様、同じタイミングでマグネシウムが爆発している。
3.I Want It All
ブライアンが「古い友人」としてトニー・アイオミを招き入れ、ブラック・サバスのHeaven And Hellのイントロを弾いた後、ザ・フーのPinball Wizardのコードをカッティングするとロジャー・ダルトリーがあの独特のマイク・パフォーマンスで登場。曲中も激しく振り回している。途中、ロジャーがスタッフに耳打ちをして何か伝えているのを見る事ができ、ジョンも右足でリズムを取りながら弾いている。クイーンとしては初演の曲である。
4.Las Palabras De Amor(The Words Of Love)
ロジャーが紹介したのはイタリア人ミュージシャンのズッケロ。マイクスタンドを握りしめ、目を閉じながら想いを込めて歌う姿はオーディエンスを魅了し、間奏ではエアギターで演奏にも参加している。メンバーの交流の深さが伺え、クイーンとしてもプロモクリップのマイム演奏を除き、初めて演奏された曲でもある。ブライアンが12弦ギターを使用している。(イントロの演奏ミスが修正されている。)
5.Hammer To Fall
ブライアンが「親友」としてゲイリー・シェローン(「シェローネ」と発音している。テロップもそうなっている)を紹介。ゆっくり歩きながら入ってくると、スタンドからマイクを抜き取りフレディ並みに曲名をシャウトしてスタート。筋肉隆々な体を大きく揺らしながらノリノリで歌いまくり、3人のメンバーそれぞれのところに走り寄り掛け合いを見せる。レッド・スペシャルにトラブルがあったのか、イントロを弾いたところでブライアンがギルドのコピーモデルにチェンジしている。
6.Stone Cold Crazy
ロジャーがハイハットとスネアでリムショットを連打すると、それに合わせて照明の点滅も激しくなりオーディエンスも手拍子を始める。それにベースとギターが重なり重低音が響く中、ロジャーのカウントで曲がスタート。ジェームス・ヘットフィールドが大きく頭を振りながら彼には珍しく、ハンドマイクで歌う。自身メタリカでカバーしている曲なのでこの曲を選択したのかもしれない。ブライアンのレッド・スペシャルが復活している。中間部で演奏ミスにより危うくなるが、何とか立て直し完奏する。(この部分は修正されていない。)
7.Innuendo(incl. Kashmir)
ロジャーのドラムロールからカウントスタートで重厚なサウンドが轟く。サプライズな選曲の一つで、まさかのこの曲をライヴで再現するとは思ってもいなかった人々が度肝を抜かれた瞬間だった。スタジアムに手拍子をしながら特別ゲストのひとり、ロバート・プラントが登場。ところが歌い出しからマイクのモニターがオフに近い状態であり彼の歌が聞こえてこないトラブルが発生する。その後も曲構成を間違い2番をフライングして歌い始めてしまったため、バックの演奏とズレるが何とか帳尻を合わせて突き進む。曲調が穏やかになったところで突然ロバートがレッド・ツェッペリンのKashmirをインクルード。(歌詞は前後入れ替えている。)間奏の激しいギターが始まる部分でもロジャーとブライアンの息が合わず演奏がズレてしまう。この間ロバートはタンバリンを叩いている。全体的にロバートにはキーが高すぎるのでうまく歌えていない。このような要因が重なりオフィシャル未収録となっているが、クイーンとしても唯一のライヴテイクなのでとても貴重。
8.Thank You
ここからがオフィシャルでも見る事が出来る。ブライアンが再び12弦ギターに持ち替えて、レッド・ツェッペリンのThank Youのイントロを弾き出すと、オーディエンスが沸き歌声に聞き入る。フレディに向けた感謝のメッセージ・ソングである。クイーンがレッド・ツェッペリンの曲を演奏するのは1986年マジック・ツアーの前半6月26日、旧西ドイツ・ベルリン公演でのImmigrant Song以来である。ロジャーが一瞬サングラスを外している。
9.Crazy Little Thing Called Love
続け様にブライアンが聞き慣れ親しんだイントロを奏でる。途中でレッド・スペシャルにチェンジし間奏を弾く。「I'm ready(ready Freddie)」が3回繰り返されるアレンジでロバートとオーディエンスの掛け合いがある。
10.Too Much Love Will Kill You
この段階ではまだオフィシャルで発表されていないブライアン作の初演であり、1984年のワークス・ツアーからサポート・ミュージシャンとして現在もツアーに同行しているスパイク・エドニーと二人での演奏。労をねぎらい彼を「影のヒーロー」と紹介すると、(曲名は未発表のまま)キーボードを弾きながら歌い始める。色付けされていないシンプルなアレンジで、ブライアンの歌声が心に突き刺さる。オーディエンスも静かに聞き入っている。演奏後、ブライアンがキーボードのイスに座ったまま次のゲストを紹介する。
11.Radio Ga Ga
マイクスタンドをクルクル回しながらポール・ヤングが歌う。ここでのオーディエンスはプロモクリップ同様、両手を挙げリズムに合わせ手を叩いてるが、1985年のライヴ・エイド、翌年のマジック・ツアー同会場でのそれを上回るキレのあるシャープな動き、シンクロ率。まさにフレディへの想いがひとつになった瞬間であり、スタジアム全体を揺るがすかの様だ。ジョンが赤のプレシジョン・ベースに持ち替えている。
12.Who Wants To Live Forever
ブライアンが「英国に大旋風を巻き起こした男」としてシールを紹介すると大歓声が上がる。「最初に歌った時は泣いてしまった」といい、ブライアンがキーボードでイントロを弾き始める。感情を込めてしっかりとした歌唱力で歌い上げる。ジョンが黒のプレシジョン・ベースに戻している。ロジャーはこの曲の途中から完全にサングラスを外している。
13.I Want To Break Free
ロジャーがリサ・スタンスフィールドを呼び込むと、この曲のプロモクリップのパロディで掃除機を持って登場。ハイトーンを生かした声で歌い上げ、間奏中もブライアンの周りをクリーニングする余裕を見せている。
14.Under Pressure
ロジャーがアニー・レノックスと2人目の特別ゲスト、デヴィッド・ボウイを呼び込む。アニー紹介の部分でマイクのハウリングが起こり、2度コールしている。(オフィシャルではカット。)2人のデュエットによるこの曲をアニーがフレディのパートを受け持つ。「love, love...」のエコー部分も再現している。最後は寄り添いながら力強く歌い上げて終了。デヴィッドが「絶世の美女」と彼女を絶賛し、アニーはステージを去る。
15.All The Young Dudes
ここからデヴィッドが仕切り始め、当時のロック・シーンを語り出す。モット・ザ・フープルが最もロックしていたと称し、ミック・ロンソンとイアン・ハンターを招く。イアンがギターを弾きながらボーカルを取り、デヴィッドはサックスとコーラス、ジョー・エリオットとフィル・コリンもバック・ボーカルに加わっている。途中からイアンがテレキャスターをスタッフに渡し、ステージ前方に出てオーディエンスを煽りながらハンドマイクで歌う。クイーンのメンバーも1973年12月1日イギリス・サウスエンドでのモット・ザ・フープルのライヴに、ジョンを除く3人がバック・ボーカルで参加した経緯がある。
16.Heroes
ミック・ロンソンのみ残り、続けてデヴィッドの名曲Heroesをプレイする。「この曲をフレディ・マーキュリーに捧げます」と言い、フレディと「この病に冒されている人々にのために」とその場に跪き、主の祈りを朗読する。「神の御加護を」と叫びステージから去っていく。(なおミック・ロンソンは肝臓ガンを患っており、このコンサートの約1年後1993年4月29に他界するので、これがラストライヴパフォーマンスとなる。)
17.'39
クイーンのライヴ同様、ステージ前にバスドラムをセットし、タンバリン持ったロジャーが3人目の特別ゲスト、ジョージ・マイケルを呼び込む。1番だけのショートアレンジだがジョージは歌詞を間違えている。ブライアンは12弦のアコースティックギターで演奏する。
18.These Are The Days Of Our Lives
ここからがジョージの仕切りで進行する、再びリサ・スタンスフィールドを呼び戻すと、デュエットで歌う。今回の出演者の中でフレディの声質に最も近いのがジョージであり、リサとのハモリもバッチリ決まっている。ここでリサはステージを去る。ここでジョージが同性愛についてのスピーチを行い、認識の甘さが危険だという事をアピールする。これもクイーンとしては初演の曲である。
19.Somebody To Love
ジョージが「お気に入りの曲」と紹介しスタートするこのコンサートのハイライトの一つ。彼の力強い声量でなければ歌えない歌であり、フレディ亡き後の候補に挙がっただけの事はあると納得させられる。ゴスペル聖歌隊のコーラスが曲全体を盛り上げ、いい効果を出している。
20.Bohemian Rhapsody
エルトン・ジョンがキーボードのイスに座ると誰もが知る有名なイントロを奏で始め、オーディエンスが大合唱する。ところがエルトンの歌のキーが低く合唱の方が勝ってしまっている。2番からはステージ前方に出てきて掛け合いながら通常のキーに戻して歌う。オペラ・パート終了後、マグネシウムが火を噴き、衣装をチェンジしたアクセル・ローズがフレディに影響を受けたであろう、切断したマイクスタンドを持って走りこんでくる。ロック・パートを歌い再びバラード・パートになるとエルトンと寄り添い、肩を抱き合いながら締めくくる。オーディエンスが今日一番の大歓声になっていた。
21.The Show Must Go On
エルトンがステージに残り、クイーンのメンバー3人に感謝の意を述べる。「大好きな曲」と紹介して歌い上げると静かにステージから袖にはける。これもクイーンとしては初演の曲である。(5年後の1997年1月17日、フランス・パリで再び同じメンバーで演奏する事になる。)
22.We Will Rock You
この曲のイントロが開始されると、オーディエンスは終了が近い事を認識する。Radio Ga Ga同様、スタジアム全体でこの曲を受け入れる。リズムにノリながら、またもや衣装チェンジしたアクセル・ローズが入ってくる。イントロを十分長く取りながらステージ前方へ進み、反応を確認した後、オーディエンスを煽りながら高域のボーカルで歌い出す。3番が始まる前にマイクスタンドを放り捨ててハンドマイクで歌い、終了後ブライアンと抱き合う様子が映し出される。
23.We Are The Champions
ブライアンがオーディエンスに感謝の言葉を伝えるとともに最後の特別サプライズゲストを紹介するが、その声は感極まり「ライザァ~!」と裏返っている。フレディがジョン・レノンと同様にお気に入りミュージシャンとして名前を挙げるショウビズ界の大スター、ライザ・ミネリ(テロップはスペルミス)が登場するとスタジアム全体が一斉に大歓声に包まれる。スローテンポで一語一句かみしめるように歌う。2番の歌詞「~thank you all」を特に大事に歌い大喝采が起こる。後半からは出演者全員がステージに集合し、大合唱となる。繰り返し部分を2回多く歌い、最後にライザが夜空に向かって天国のフレディに感謝のメッセージを伝える場面は胸を打たれる名シーン。ステージ上では出演者がそれぞれ抱き合いながら称え合い、故人を偲んでいる。なお、出演者は皆このイベントのシンボルマークであるレッドリボンを付けており、チャリティーだという事を印象付けている。最後の大合唱だけ参加した出演者の中には、ステイタス・クォーのリック・パーフィットやスコーピオンズのクラウス・マイネとルドルフ・シェンカー、ビリー・スクワイア、ニール・マーレイなどの姿も確認出来る。(エンドロールのクレジットでニール・マーレイのみ記載あり。)
24.God Save The Queen(taped outro.)
クイーンのライヴ恒例のお開き曲が流れると、スクリーンにクラウンを被り長いマントを引き摺りながらステージに入場するフレディの在りし日の雄姿が映し出され、テープに合わせての大合唱。追悼の花火が上がり、コンサートの幕が閉じる。
25.Japanese broadcast ending[AIDS prevention messege(BGM : Teo Torriatte(Let Us Cling Together))/present information]
コンサート本編終了後、日本独自編集によるエンディングにオーバーラップし、白黒加工したフレディの映像と日本人にとってはこれ以上はない選曲をバックに非常にメッセージ性の強いテロップが流れます。
「1991年11月24日―クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーはこの世を去りました。ロック界に多くの業績を残した彼は、現在治療方法のないAIDSがもとで彼の歴史に終止符を打ったのです。蔓延するこのAIDSに悩み、苦しむ人々は、今もなお増え続け、新たなる差別までも生み出しています。免疫不全症候群―AIDS。この病気のことを知り、自らを守ることだけが、今現在予防する唯一の手段なのです。このコンサートが何故行なわれ、参加した多くのアーティスト達が何を訴えたのかを忘れないで下さい。」
これをただのコンサートの収録番組として終わらせず、あえてフレディの命日であるこの日を選んで放送した日本側制作スタッフの強い"想い"が感じられ、涙なしには見る事は出来ない。
最後に女性アナウンサーのコメントが入り、プレゼント告知として「日本でまだ発売されていない~(12月10日発売)」という文句がありますが、前述の通りイギリス発売はこの放送の前日であり、すでに改変したマスターが手に入る状況にも関わらずこちらを放送した英断を評価したいです。(翌年5月にも再放送されましたが、当然、「今日でフレディが他界して1年・・・」と語るラストの女性アナウンサーのコメントはありませんでした。)
1992年フレディの1年後の命日に当たる11月24日(火)昼の12時から放送された「フレディ・マーキュリー追悼コンサート」オリジナル日本放送版。リアルタイムでご覧になられた日本中のクイーン・ファンにとっては、記憶に残る、非常に思い入れのある番組だったのではないでしょうか。この4時間20分に及ぶ放送版を最良の映像で記録したDVD 2枚組が本作です。ロジャーの冒頭の挨拶「Cry as much as you like!」ではないですが、全てのクイーン・ファン感涙必至の超大作。25年前(何ともう四半世紀前!)のリアルな感動が蘇る一本です。
★1992年フレディの1年後の命日に当たる11月24日(火)昼の12時から放送された「フレディ・マーキュリー追悼コンサート」オリジナル日本放送版。
★2015年リリースの国内放送版のベストヴァージョン。既に好評のうちに完売しましたが、リクエストにお応えしてのギフトリリースです。未見のファンの方は是非、ご覧下さい。これは本当に凄い、歴史的価値のあるドキュメントです。(凄まじい存在感のデヴィッド・ボウイ、そして神懸ったような圧巻のパフォーマンスを見せるジョージ・マイケルの勇姿にも涙・・・)
Disc 1 (144:07)
1. Japanese Broadcast Opening(BRIT Awards 12th February 1992/Brian May & Roger Taylor Interview etc)
2. Opening : Bohemian Rhapsody(from video "MAGIC YEARS")/Concert Title Logo
3. Introduction by Queen(Brian May, Roger Taylor & John Deacon)
METALLICA
4. Enter Sandman
5. Sad But True
6. Nothing Else Matters
7. Interval
You Take My Breath Away(QUEEN Earls Court, London, UK 6th June 1977)
The Great Pretender(Freddie Mercury promo clip)
My Melancholy Blues(from video "MAGIC YEARS")
Somebody To Love(QUEEN Milton Keynes, Buckinghamshire, UK 5th June 1982)
One Vision(QUEEN promo clip)
EXTREME
8. Queen Medley : Mustapha/Bohemian Rhapsody/Keep Yourself Alive/I Want To Break Free/Fat Bottomed Girls/Bicycle Race/Another One Bites The Dust/We Will Rock You/Stone Cold Crazy/Gary Cherone & audience - call & response/Radio Ga Ga/Bohemian Rhapsody(reprise)
9. Love Of My Life(Gary Cherone & Nuno Bettencourt)
10. More Than Words(Gary Cherone & Nuno Bettencourt)
11. Interval
IWant It All(from video "MAGIC YEARS")
Play The Game(QUEEN Milton Keynes, Buckinghamshire, UK 5th June 1982)
The Show Must Go On(QUEEN promo clip)
These Are The Days Of Our Lives(QUEEN promo clip)
Barcelona(Freddie Mercury & Montserrat Caballe promo clip)
IWant To Break Free(QUEEN promo clip)
DEF LEPPARD
12. Animal
13. Let's Get Rocked
14. Now I'm Here(with Brian May)
15. Interval
I'm Going Slightly Mad(QUEEN promo clip)/The Invisible Man(QUEEN promo clip)
BOB GELDOF & THE HAPPY CLUB
16. Too Late God
SPINAL TAP
17. The Majesty Of Rock
U2
18. Until The End Of The World [Via Satellite(intro. Cindy Crawford/VTR rec. Sacramento, California,USA 17th April 1992)]
19. Interval
Radio Ga Ga(QUEEN promo clip)
GUNS N' ROSES
20. Paradise City
21. (intro. Only Women Bleed)Knockin' On Heaven's Door
22. Elizabeth Taylor AIDS prevention speech(intro. Ian McKellen)
23. Interval
Breakthru(QUEEN promo clip)
Artists comment(Robert Plant, Seal, Paul Young & Annie Lennox)
The Miracle(QUEEN promo clip)
Disc 2 (116:12)
QUEEN
1. Interval(Freddie Mercury & audience - call & response)
2. Tie Your Mother Down(with Joe Elliott & Slash)
3. (intro. Heaven And Hell/Pinball Wizard)I Want It All(with Roger Daltrey & Tony Iommi)
4. Las Palabras De Amor(The Words Of Love)(with Zucchero)
5. Hammer To Fall(with Gary Cherone & Tony Iommi)
6. Stone Cold Crazy(with James Hetfield & Tony Iommi)
7. Innuendo(incl. Kashmir)(with Robert Plant)
8. Thank You(with Robert Plant)
9. Crazy Little Thing Called Love(with Robert Plant)
10. Too Much Love Will Kill You (Brian May with Spike Edney)
11. Radio Ga Ga(with Paul Young)
12. Who Wants To Live Forever(with Seal)
13. I Want To Break Free(with Lisa Stansfield)
14. Under Pressure(with David Bowie & Annie Lennox)
15. All The Young Dudes(with Ian Hunter, David Bowie, Mick Ronson, Joe Elliott & Phil Collen)
16. Heroes(with David Bowie & Mick Ronson)/Lord's Prayer(David Bowie)
17. '39(with George Michael)
18. These Are The Days Of Our Lives(with George Michael & Lisa Stansfield)
19. Somebody To Love(with George Michael)
20. Bohemian Rhapsody(with Elton John & Axl Rose)
21. The Show Must Go On(with Elton John & Tony Iommi)
22. We Will Rock You(with Axl Rose)
23. We Are The Champions(Liza Minnelli & all stars)
24. God Save The Queen(taped outro.)
25. Japanese broadcast ending[AIDS prevention messege(BGM : Teo Torriatte(Let Us Cling Together))/present information]
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 260min.