[メーカーインフォ]
地元クラブで牙を研ぎ、革命の時を待っていたデビュー前の怪物GUNS N' ROSES。マーク・キャンター蔵出しの秘宝と話題を呼んでいる衝撃映像が登場です。
そんな本作に封じられているのは「1986年4月5日ウェスト・ハリウッド」。伝説クラブ“Whisky A Go Go”で撮影されたスタッフ・ショットです。通常ならここで「オーディエンス/プロショット」と記すところですが、本作には似合わない。そもそも、この映像はマーク・キャンター(スラッシュの幼なじみで伝記本の著者)が当時GEFFENレコードに渡したと言われる1stジェネ・テープのようです。
その経緯もさることながら、クオリティ的にも「スタッフ・ショット」と呼ぶしかない。会場高から撮影されたワンカメ映像ですし、音声もマイク録音。カテゴライズで言えば「オーディエンス・ショット」です。その一方で「客席映像」ではない。狭いクラブにもかかわらず4メートルくらいの高さから見下ろす角度は客席とは思えませんし、フリーハンドでは不可能な安定感も異常なら遮蔽物ゼロの視界もオーディエンス離れしている。1986年と言えば、定番映像『THE ROXY 1986』が有名ですが、あの暴れ映像とはまったく別次元なのです。
もちろん、映像の美しさも異次元。前述のように1stジェネ・マスターからデジタル化されており、公開に先立ってリマスタリングも施されている。その艶やかな画面は極めてナチュラルで、ダビング痕も見当たらない。撮影機材によるアナログ感はありますが、まるで昨日撮られたような瑞々しさなのです。
出自もクオリティも異常なのですっかり前置きが長くなってしまいましたが、本作の真価はそこではなくショウそのもの。デビュー前の若きマグマが煮えたぎる灼熱ロックなのです。どれほど初期だったのか。まずは、当時の活動概要を紐解いてみましょう。
●1985年
《6月:クラシック・ラインナップが完成》
・6月6日ー12月20日:北米#1(20公演)
●1986年
・1月18日ー5月31日:北米#2(10公演)←★ココ★
・7月11日ー11月15日:北米#3(14公演)
《12月16日『LIVE?!☆@ LIKE A SUICIDE』発売》
・12月21日ー31日:北米#4(3公演)
●1987年
《1月18日『APPETITE FOR DESTRUCTION』制作開始》
これが黎明のGUNS N' ROSES。結成も初ライヴも1985年3月でしたが、私たちの良く知る5人が揃ったのは6月。上記は、そこから『APPETITE FOR DESTRUCTION』制作までの歩みです。ツアーではなく、”Troubadour”や“Fender's Ballroom”といった伝説クラブで散発的なライヴを繰り返していたわけですが、本作が撮影されたのは「北米#2」でのこと。ここで更に日程をフォーカスしてみましょう。
●「北米#2」の詳細
・1月4日:Troubadour公演
*1月18日『THE ROXY 1986』
・2月1日ー3月21日(3公演)
《3月26日:GEFFENと契約》
・3月28日+29日(3公演)
*4月5日:Whisky A Go Go公演 ←★本作★
・5月1日ー31日(4公演)
……と、このようになっています。まだ『LIVE?!☆@ LIKE A SUICIDE』も存在せず、GEFFENとの歴史的な契約から10日後だったわけです。そんな現場は、苛烈にして美しい。何しろ当時アクセルは24歳で、スラッシュに至ってはまだ二十歳にすぎない。特にアクセルはヘアメタル丸出しなブロンドを振り乱してハイパーに暴れまくっており、その姿はデビュー当時のセバスチャン・バックかのようです。
そして、ライヴ内容も黎明時代の薫りムンムン。「Paradise City」もまだイントロなしでいきなりハード・パートから始まりますし、カバーもたっぷりな選曲も初期ならでは。定番『THE ROXY 1986』とも少し違いますので、最後に比較しながら整理しておきましょう。
●アペタイト・フォー・ディストラクション(8曲)
・Out Ta Get Me(★)/Welcome To The Jungle/Think About You/Rocket Queen/Nightrain/My Michelle/Anything Goes/Paradise City
●その他(7曲)
・GN'Rライズ:Move To The City/Mama Kin/Nice Boys
・ユーズ・ユア・イリュージョン:Don't Cry/Back Off Bitch
・その他:Heartbreak Hotel/Jumpin' Jack Flash
※注:「★」印は定番『THE ROXY 1986』で演奏していなかった曲。
それにしてもスゴい。凄すぎる! よくロック史の重要記録を「文化遺産」とご紹介していますが、本作ほどその表現がぴったくり来る映像はないでしょう。地上侵攻を目論みつつ、地下で急速に育っていた怪物バンド。その苛烈なマグマが画面とスピーカーから吹き出してくる奇跡のスタッフ・ショット。まさにド級の衝撃映像。全霊で正対して頂きたい絶対の1枚が誕生です。
★「1986年4月5日Whisky A Go Go」で撮影されたスタッフ・ショット。資料用に撮影されたものらしく、ワンカメ映像ながら遮蔽物ゼロの視界でフリーハンドでは不可能な安定感も絶大。当時マーク・キャンターがGEFFENレコードに渡したと言われる1stジェネ・テープからデジタル化された映像美も現場の光景そのもの。若さ丸出しで暴れるデビュー前の姿を目撃できる文化遺産の登場です。
★衝撃の映像です。これは凄い!!!
1. Out Ta Get Me
2. Welcome To The Jungle
3. Think About You
4. Move To The City
5. Rocket Queen
6. Nightrain
7. My Michelle
8. Don't Cry
9. Back Off Bitch
10. Anything Goes
11. Paradise City ★イントロがまだない
★後半は全部カバー曲
12. Mama Kin
13. Heartbreak Hotel
14. Nice Boys
15. Jumpin' Jack Flash
16. After Show
W. Axl Rose - Vocal
Slash - Guitar
Izzy Stradlin - Guitar
Duff McKagan - Bass
Steven Adler - Drums
COLOUR NTSC Approx. 87min.