1987年の夏にリリースされたガンズ・アンド・ローゼズのデビュー・アルバム『Appetite For Destruction』の1曲目「Welcome To the Jungle」より良いオープニング・ソングで自らの意向を示したデビュー・アルバムはほとんどないだろう。「Welcome To the Jungle」はバンドのファースト・シングルではあったが、チャートの結果としては1988年の夏、全米シングル・チャートのトップの座を2週間キープした象徴的で素晴らしい「Sweet Child O’ Mine」に次ぐ2番目であった
全世界で3,000万枚を超える売り上げを記録している『Appetite For Destruction』はガンズ・アンド・ローゼズのクラシックなラインナップが参加している。ヴォーカルにアクセル・ローズ、リード・ギターにスラッシュ、リズム・ギターにイジー・ストラドリン、ベースはダフ・マッケイガン、ドラムはスティーヴン・アドラーだった。1986年の3月にバンドはゲフィン・レコードと契約し、1987年7月にアルバムが発売されたがチャートに食い込ませるほどのファンはいなかった。それどころか、アルバムがチャートのトップに登り始めたのはリリースから1年後の1987年8月、早朝のMTVで「Welcome To the Jungle」が流れるようになった1年後、やっと1位に達したのである。
アメリカ以外でのガンズ・アンド・ローゼズ初ライブは1987年6月、ロンドンの伝説マーキー・クラブにて行われ、1987年の秋に「Welcome To the Jungle」が世界のどこよりも早くチャート入りしたのもイギリスだった。「Sweet Child O’ Mine」はイギリスのトップ20位には入らなかったが、その代わりにアルバムが全英アルバムチャート5位に輝き、最終的にはアメリカのチャートイン期間よりも長い3年以上も続いた。アルバム収録曲「Paradise City」もいち早く全英シングルチャートのトップ10入りを果たし、バンドにとって初のTOP10ヒットを記録した楽曲となった。1986年にデビューEPとしてリリースされた『Live ?!*@ Like a Suicide』に4曲を追加し、1988年に8曲入りのミニアルバムとして発売された『G N’ R Lies』はアメリカで2位を獲得、ミニアルバムで唯一のシングル曲だった「Patience」はアメリカで4位となった。
1991年に発売されたセカンド・アルバム『Use Your Illusion I』と『Use Your Illusion II』は2枚別々に発売されたにも関わらず、多くの人に2枚組みアルバムだと思わている。皮肉にも、『Use Your Illusion I』が2位の座にいる間、『Use Your Illusion II』がアメリカのチャートの1位の座を奪い、イギリスでも成功作となった。さらに皮肉なことに当時最もヒットしたシングル曲「November Rain」が収録されていたのは『Use Your Illusion I』の方だったりもする。