2月6日に50歳を迎えたアクセル・ローズ。ウィリアム・ブルース・ローズJrとして産声を上げて以来50年間泣き叫び暴れ続け、ロック界を豊かなものにしてきた人物である。50歳の誕生日というこの機会に、彼の功績を讃えないわけにはいかないだろう。
インディアナ州ラファイエットの敬虔な家庭に生まれ、早い時期に音楽に没頭するようになった彼は1982年にロサンゼルスに移住し、1985年にガンズ&ローゼスを結成。ヴォーカルを務めた。
パンクのエッジさと荒々しさ、クラシック・ロック的な構成美を併せ持つ彼らの音楽は世を席巻。ファースト・アルバム『アペタイト・フォー・ディストラクション』は現在までの間、世界中で2800万枚もの売り上げたモンスター・アルバムとなり、当時の音楽シーンを揺るがせたのである。アクセルの叫び声、いかがわしいステージ衣装、過激な言動や反社会的な行動の数々はキッズを夢中にさせ、その親たちを戦々恐々とさせたのであった。
1991年には2枚組の大作『ユーズ・ユア・イリュージョン』を発表、バラード・シングル「ノヴェンバー・レイン」はメロドラマチックなPVとともに大ヒットを記録するが、それ以降バンドは下降線を辿るようになる。『アペタイト・フォー・ディストラクション』の黄金ラインナップはどんどん解体されてしまい、メンバーたちは1人ずつ離れていった。そしてついには、ガンズのオリジナル・メンバーはアクセルただ1人になってしまったのである。
その後ガンズはメンバーチェンジを繰り返した後の2008年、実に10年近くの製作期間を要したアルバム『チャイニーズ・デモクラシー』を発表するも、トップ10ヒットは記録していない。
しかし、そんなことはもはや彼の長年のファンにとっては大した問題ではないのかもしれない。ファンたちは辛抱強く、彼が降参して"謝罪"するのを待っている。そんなことはあり得ないと知りながらも。様々なスキャンダルやトラブルを起こし続けて、ファンを失望させてしまうことも度々あった。しかし、彼の尊大さこそが、きっと彼を良いシンガー・ソングライターたらしめているのだろう。ともあれ、少なくとも彼は最高のロック・スターであることに違いない。
元メンバーでギタリストのスラッシュが、アクセルの誕生日と1日違いで生まれたダフ・マッケイガン(元メンバー・ベーシスト)の誕生日を祝うメッセージをツイート上に投稿をした。ガンズを離れてからもなくならない彼らの絆と愛情を感じられる最高の祝い文句だ。「昨日はダフの誕生日で、今日はあの赤アタマの野郎のだ。ハッピーバースデー、クソったれども!」