ガンズ・アンド・ローゼズのロック・オペラの傑作「November Rain」の壮大なミュージック・ビデオのYouTubeでの再生回数が10億回を突破した。2000年以前に発表されたミュージック・ビデオとしては、YouTubeで10億回再生を越えた初で唯一の作品となる。
1992年に発売されたアルバム『Use Your Illusion I』からのシングルとして初めてリリースされた「November Rain」はこれまでで最も大掛かりで、最も長く愛されるミュージック・ビデオのひとつである。ヴェルヴェットを纏ったアクセル・ローズとモデルのステファニー・シーモアが砂漠に取り残された教会に現れ、かつてないくらい壮大な映画さながらのラヴ・ストーリーが展開する。
今作は、制作当時、最も予算をかけて作られたプロモーション・ビデオでもあった。大規模な空撮や仮設の教会、そしてアクセル・ローズとステファニー・シーモアを形どった特注のケーキの飾り付けで終わる結婚式など、その総予算が1,500万ドルを越えたのも頷ける。
この楽曲はビデオの発表前から全米シングル・チャート3位を獲得しており、結果的に同チャートで最も長くTOP10入りした楽曲となり、その記録は未だ破られてはいない。
「November Rain」はアクセル・ローズの友人、デル・ジェームスによる短編ストーリーを大まかに基にしたもので、「Don’t Cry」(当時アクセル・ローズのガールフレンドだったステファニー・シーモアが今作にも出演)と「Estranged」に続く三部作の一部だと考えられている。元々のストーリーは、ガールフレンドを亡くし、失意に苦しむブルース・ミュージシャンが自殺を図るというものだ。デル・ジェームスはガンズ・アンド・ローゼズの『Use Your Illusion I』収録の「The Garden」や『Use Your Illusion II』収録の「Yesterdays」なども共作している。
この作品が9分間の作品として世に送り出される時、バンドは、過去にマイケル・ジャクソンの「Give In To Me」やもう一人のスーパースターの作品、ジョージ・マイケルの「Faith」、そして彼らの過去2作「You Could Be Mine」と「Don’t Cry」でも指揮をとったアンディー・モラハンを監督して起用。複数に分けられた設定の中で、移り変わっていく物語は、アクセル・ローズの結婚式からガンズ・アンド・ローゼズの1,500人ものエキストラを迎えたコンサートの模様、そしてスラッシュの映画のようなギター・ソロまで、様々なシーンが映し出されている。
YouTubeによると、「November Rain」は毎年11月1日になると再生回数が大きく跳ね上がるということで、その日は非公式の"November Rainの日"とされているそうだ。
このガンズ・アンド・ローゼズにとっての歴史的事件は、バンドが1986年にサウンド・シティ・スタジオで収録し、未発表のままだった「November Rain」のストリップト・ダウン・ピアノ・バージョンを、先日リリースした『Appetite For Destruction: Locked N’ Loaded Edition』の中で発表した直後に起きている。
≫ Guns N' Roses - November Rain (YouTube)