再結成したガンズ・アンド・ローゼズが Not In This Lifetimeツアーで高い評価を得ている今、1987年の6月19日に何があったのか思い出してみよう。その日彼らはロンドンの有名なマーキー・クラブで、世界的なステージへの出演という初めてのチャンスをつむことになり、著名なリストへの仲間入りを果たした。この有望なバンドの早くからのファン達は4ポンドの入場料を払い、ガンズ・アンド・ローゼズのアメリカ以外で初めて行うライヴを見ようとマーキー・クラブのあるウォーダー・ストリートに集まった。
この公演が行われたのは、ガンズ・アンド・ローゼズが全英チャートで最初の光をちらつかせたまさにその週であったが、まだまだ一般での知名度はない状態だった。当時公表されていたシングル・チャートはTOP75までであり、彼らの新曲「It’s So Easy」は6月20日に84位にチャート入りしただけで、それがチャートの最高位。そのままTOP75に上昇することなく、その後は96位、88位という結果となった。
1987年7月21日に発売されたバンドのデビュー・アルバム『Appetite For Destruction』もまたスロー・スタートで、8月初旬で全英アルバムチャートに初めてランクインしたが68位という結果だった。1989年までアルバムがヒットすることはなかったが、1987年彼らの初めてのロンドンへの訪問は、その後の大爆発への導火線に火をつける助けとなった。
「俺たちは2公演やったんだ(2公演目は6月22日)、両方とも最高だったよ」とスラッシュは2014年のサンデー・タイムズ紙のインタビューで語っている。「すばらしい歴史の一部だ。俺たちはあのクラブから現れ、活躍した最後のロックン・ロール・バンドのひとつになったんだ。あのクラブは、ロンドンにおけるトルバドール(*訳注:数々の有名アーティストを輩出したLAのライヴ・ハウス)のようなものだろ。来てるやつらはみんな最高だったし、すばらしい夜だったよ」。
「あの週に築き上げられたものを忘れることはないだろうね」とスラッシュは続ける。「ロンドンでは、俺たちはリハーサル・スタジオのジョン・ヘンリーズでリハをして、ソーホーをぶらぶらして、色んな人と出会って、飲んで、女の子を引っ掛けてたりしてた。そしてそのクライマックスがこの二つのライヴさ。マーキーでの夜は汗まみれだったよ」
「2回やったライヴのうちのどっちかのビデオをもってるんだけど、誰かが一緒にうろうろ歩き回ってずっと撮影してて、1日中の様子がカメラに収められてるんだ。サウンドチェックの前から、ショウのすべてがね。俺はDVDに焼いたやつを持ってるだけど、だけど誰が撮影したのか思い出せないんだよ、ここ数年間で誰かがくれたはずなんだけどさ。これをもってるんだけど、どうしたらいいんだろうな。とにかく映像は人でいっぱいなんだ。これはまさにロックン・ロールってやつなんだろな」