ガンズ・アンド・ローゼズは物議を醸した楽曲“One In A Million”が発売予定の『アペタイト・フォー・ディストラクション』のボックスセットに収録されないことが話題なっている。
先日、ガンズ・アンド・ローゼズについては各地に屋外広告が設置され、カウントダウンがウェブサイトで開始し、その後、1987年発表の名作『アペタイト・フォー・ディストラクション』がいくつかの形態で再発されることが発表されている。
ボックス・セット『アペタイト・フォー・ディストラクション:ロックト・アンド・ローデッド・エディション』は、4枚のCD、1枚のブルーレイ、7枚の12インチLP、そして7枚の7インチ・シングルで構成され、全体の73曲のうち、49曲が未発表音源となっている。本作には“One In A Million”を除いて1988年発表の『GN’Rライズ』の楽曲も収録される。
“One In A Million”はかつて激しい批判を受けた楽曲で、そこには「警官にニガー、わかったから、道を開けてくれ。俺は今日はゴールドのチェーンを買う必要はないんだ」、「移民にファゴット、まったく理解できないよ。あいつらは俺たちの国に来て、望み通りにやれると思っている。リトル・イランでも始めようっていうのかよ。あるいは病気でも広めるつもりか」といった一節が含まれている。
この曲の歌詞では「過激派や人種差別主義者」を批判する一節も登場するが、アクセルの言葉選びは大きな批判を受けることとなった。
「黒人同士が『ニガー』と呼び合っているのに、なんで白人が同じ言葉を使うと突然騒ぎ出すんだ?」とアクセル・ローズは1989年に米『ローリング・ストーン』誌に語っている。「俺はどんな類の境界も好きになれないんだ。何を発言できて、何ができないかなんて言われたくないんだよ。俺は『ニガー』という言葉を使った。というのも、人生における苦痛や問題となる人物を表現する言葉だからなんだ。『ニガー』という言葉は必ずしも黒人という意味ではないんだ」
歌詞の中の「ファゴット」という言葉について彼は「ホモセクシュアルとのひどい体験」があったとして、次のように続けている。「誰かに危害を加えたり、俺に害を及ぼさない限り、彼らが何をしたって構わないよ」
移民に対する直接的な言葉選びについては彼は次のように述べている。「たぶん、僕はもっと具体的な表現をすべきだったね。『セブン・イレブンにいるジョー・シュモラードとファゴットたち、まったく理解できないよ』ってね。でも、そんなのバカバカしいわけでさ! それで、単純に要約して、『移民』と歌ったんだ」
アクセル・ローズと何度か共演しているエルトン・ジョンはかつて彼のことを擁護している。
「僕はいつだって、見放されている人々の味方なんだ」とエルトン・ジョンは2017年に米『ローリング・ストーン』誌に語っている。「僕はこれまでたったの一度もアクセル・ローズのことを同性愛嫌悪者だと思ったことはないよ。だから、僕はやったわけでね。MTVミュージック・アウォーズでも彼やガンズ・アンド・ローゼズと共演したし、グラミー賞授賞式ではマーシャル(・マザーズ、エミネム)と共演したんだ。マーシャルとはとても良い友人になれたよ。僕は世間のバカたちに勘違いされ、誤解されているあらゆる人のために闘うよ」
ガンズ・アンド・ローゼズの『アペタイト・フォー・ディストラクション』は6月29日に再発される。
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ガンズ・アンド・ローゼズの話題のボックスセット『アペタイト・フォー・ディストラクション: ロックト・アンド・ローデッド・エディション』のディスク2 “B-sides N’ Eps”には、『アペタイト・フォー・ディストラクション』からシングル・カットされた曲のB面5曲の他、2枚のEP(1986年の『Live?!*@Like a Suicide』と1988年の『GN’R Lies』)に収録されている8曲のうち7曲が入っていますが、プレスリリースではどちらのEPタイトルにも言及せず、『GN’R Lies』に関しては、そのセッションから「Move to the City」のアコースティック・ヴァージョンが生まれたことしか書かれていません。
どうやら慎重に判断した結果、『GN’R Lies』の8曲目に入っていた「One in a Million」という締めくくりの曲を削除したようです。なぜなら「One in a Million」には、ニガー(黒人)やファゴット(ホモ)の他、移民に対する軽蔑的な歌詞が使われ、物議を醸したからです。
アクセル・ローズは、ロサンゼルスの第一印象に基づいて書いた歌詞だと述べ、1989年のローリング・ストーン誌とのインタビューでは、「肉切り包丁を手にした中東人のコンビニ店主が大勢の黒人を店から追い払い、その黒人たちは盗んだ宝石やコカイン、ヘロイン、マリファナを売っていた」「ゲイの男からレイプされそうになった」などと語っていました。
また、「黒人同士はニガーと言い合うのに、白人がニガーと言うと差別用語になるのはおかしい。俺は言っていい言葉と言ってはいけない言葉を他人から指図されたくない。俺がニガーという言葉を使ったのは、基本的にその言葉が生活上の苦痛や問題となる人物を意味したもので、黒人を特定したのではない」とも語っています。
更に、ローズのバンド仲間だったスラッシュが黒人のハーフだったことからも物議を醸し、スラッシュは、1991年のローリング・ストーン誌とのインタビューで次のように語っています。
「アクセルが最初にあの曲を書いて歌いたいと言った時、俺はクールじゃないって言ったんだ。でも、アクセルはどうしても自分の気持ちを表現したいって言うし、彼の書く歌詞はかなり直截的だからね。彼は非常に正直な人間だし、彼なりの理由があったのさ。俺はあの曲を演奏したことは後悔してないけど、あの曲のせいで俺たちが被ったことや、俺たちの個人的な感情が世間に誤解されたことは残念に思うよ」
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