ハノイ・ロックス（Hanoi Rocks）での活躍でも知られるマイケル・モンロー（Michael Monroe）は英Classic Rock誌の新しいインタビューの中でガンズ・アンド・ローゼズ（Guns N’ Roses）との友情について語る。出会い、楽曲参加の経緯、ハノイ・ロックスがガンズに与えた影響についてなど。
Ｑ：ガンズ・アンド・ローゼズとの出会いは？
「彼らのことは聴いたことがあったし、“Welcome To The Jungle”のビデオもすこし見たことがあったけど、当時すでに彼らがどれだけ有名だったかは知らなかった。アクセル（ローズ）に初めて会ったのは、僕がマンハッタンのミッドタウンで（1989年のソロ・シングル）“Dead, Jail Or Rock’N’Roll”のビデオ撮影を行っていたとき、彼がたまたま立ち寄った時だった。彼は当時僕がリリースしようとしていたアルバム『Not Fakin’ It』のテープを聴いていて、とても気に入ってくれた。彼は近寄ってきて自己紹介してくれて、本当にいい人だとわかったので、とても仲良くなったんだ。結果的に、彼は曲を気に入ってくれただけでなく、ビデオにもゲスト出演することになったんだよ。
僕たちは2人ともナザレスのファンだった。彼の歌い方に（ナザレスのシンガーである）ダン・マッカファーティーの影響が感じられたから、僕にとって驚きではなかったけどね。彼は僕のアルバムに収録されている“Not Fakin’ It”がナザレスのカヴァーだとは知らなかったので、それがナザレスの曲だと知ったことで、さらにアルバムを気に入ってくれたようだよ。
次に会ったのはニューヨークのディナーだったと思う。スラッシュや彼らのマネージメントにも初めて会った。その夜、僕とスラッシュはローワー・イースト・サイドのダウンタウンにある僕のアパートで過ごすことになった。バンド全員に初めて会ったのはRIP誌のパーティーで、彼らがハープ（ハーモニカ）を吹いて、“Heartbreak Hotel”のクールで速いヴァージョンでバッキング・ヴォーカルを歌わないかと誘ってくれたんだ」
Ｑ：彼らはハノイ・ロックスが彼らに与えた影響について話しましたか？
「彼らは、ハノイ・ロックスが自分たちに影響を与え、インスピレーションを与えたことは認めていたよ。アクセルによると、ガンズのギタリスト、イジー（ストラドリン）は彼に“マイケル・モンローのような髪型にしろ”とよく言っていたそうだよ。彼らの初期の写真や“Welcome To The Jungle”のビデオには、それが少し見られたよね。アクセルは常に彼独自のスタイルを持っていた。彼らは親切にもハノイ・ロックのことをよく取材で取り上げてくれたし、ハノイのヨーロッパのアルバム・カタログを彼らのUzi Suicideレーベルからアメリカでリリースしてくれた！ アクセルは、ハノイ・ロックスが誰で何なのかをみんなに知ってもらいたいと言っていたんだ」
Ｑ：『Use Your Illusion I』の楽曲「Bad Obsession」で演奏することになった経緯は？
「曲のラフ・ミックスが送られてきて、ハープとサックスを演奏しないかと誘われたんだ。僕はその曲を気に入ったのでイエスと答えたら、レコーディング・セッションのために僕をロサンゼルスまで行けるように手配してくれた。スタジオに着くと、彼らがレコーディングした“Live And Let Die”などの新曲を聴かせてくれた。大きなスピーカーからの音はとても印象的だったよ。
“Bad Obsession”では、サックス・ホーン・セクション全体を担当することになった。スラッシュは、ハープのメロディをどうしたいかという具体的なアイディアを持っていたから、僕たちは彼が望むものが完璧になるまでそれに取り組んだんだ」
Ｑ：カヴァー・アルバム『The Spaghetti Incident?’』に収録された、デッド・ボーイズ「Ain’t It Fun」のカヴァーにあなたが参加した経緯は？
「アクセルがデッド・ボーイズの曲をあまり知らないと電話で言っていたので、彼らの最初の2枚のアルバムを録音したテープを作ったんだ。『Use Your Illusion』セッションのためにロサンゼルスに着いたときに彼に渡した。アクセルの車でハリウッドをドライブしながらそのテープを聴いていたんだけど、“Ain’t It Fun”が流れたときにアクセルが“わあ、これはすごい曲だ！ これはカヴァー・アルバムのために録音しなきゃ。君と俺でデュエットしよう”と言ったんだよ。彼はすぐにスラッシュに電話して“バンドを集めよう、このデッド・ボーイズの曲をカヴァーするんだ”と言っていた。
この曲のレコーディングは魔法のようだった。スティーヴ（ベイターズ／1990年に亡くなったデッド・ボーイズのフロントマン）は間違いなく精神的にそこにいた。
スティーヴと僕がスタジオでヴォーカルをレコーディングしていたとき、スティーヴは僕の周りに燃えるロウソクを何本も置いて輪を作り、その“保護”の輪の中でヴォーカルを歌わせるという儀式をしていた。だから、僕とアクセルはスタジオにあるキャンドルを全部集めて、僕らの周りにキャンドルの輪を作ったんだ。僕たちは向かい合っていた。そしてキャンドルに火を灯し、向かい合って歌った。アクセルの声がスティーヴに似ているところもあった。僕は彼らは同じようなブードゥー教を持っていると思ったよ。
“Ain’t It Fun”をやるのにお金は要求しなかった。ガンズ・アンド・ローゼズに関しては、多くの人が金もうけのチャンスだと感じて目の色を変えていた。僕はかなり不愉快だった。僕がお願いしたのは、アルバムのクレジットに“スティーヴ・ベイターズを偲んで”を入れてほしいということと、僕の名前のスペルを正しく書いてほしいということだけだった。アクセルは“もちろんだ！”と答えた。亡き親友のために、そしてスティーヴ・ベイターズとデッド・ボーイズの認知度を高めるために、こんなことができるなんて本当に嬉しかった。これで何百万人ものファンがスティーヴの名前を目にし、彼についてもっと知ってもらえればと願っているよ」
Ｑ：当時のガンズ・アンド・ローゼズの偉大さは何だったのか。
「彼らは本物だった。自分たちのスタイルを持っていて、“知ったこっちゃない”という態度で、本当に反抗的で、しかもハードにロックしていた。観客はまだそれを望んでいる」
[source] loudersound.com
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