ドナル・ギャラガー、スラッシュとロリー・ギャラガーが共演した日の舞台裏を語る

ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)のスラッシュ(Slash)にとってロリー・ギャラガー(Rory Gallagher)は憧れのギターヒーローのひとり。そんな2人の共演は、1991年にギャラガーの公演にスラッシュがゲスト参加する形で実現しました。この共演の舞台裏をロリーの弟で元マネージャーのドナル・ギャラガーがGuitarist誌の最新号で語っています。

スラッシュは2014年、自身に影響を与えたギタリストたちを挙げる米誌の企画の中で、ギャラガーの名前を挙げました。その際、こうコメントしています。

「彼は俺が若い頃に夢中になったギタリストの一人だ。少なくともハリウッドでは、彼に夢中になっている人はあまりいなかった。みんなはランディ・ローズに夢中だった。ロリーは他の誰とも似ていなかった。スティーヴィー・レイ・ヴォーンのような音を出すギタリストはたくさんいるけど、ロリー・ギャラガーのような音を出すギタリストはいなかった。彼はとても個性的で、独自の音色とアプローチを持っていた。彼は常に俺のヒーローだった」

2人の共演について、ドナル・ギャラガーはこう振り返っています。

「1991年3月、僕たちはシドニーからの長旅を経てロサンゼルスに戻ってきた。ロサンゼルスでの最初のライヴはストリップ地区にあるロキシーだった。

ある人が、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュとベースのダフ・マッケイガンが来ていて、ロリーに会いに来たと言っていた。僕は楽屋に戻ってロリーに“スラッシュという男が君に会いに来たと言っている”と伝えた。僕は彼についてあまりよく知らなかった。

バンドのことはなんとなく知っていたけど、彼個人についてはあまり知らなかった。でもロリーの目は輝かせて“まじか”と言っていた。僕はスラッシュがステージに上がってジャムセッションをできないか尋ねているとも伝えた。するとロリーは“いいよ”と答えた。

ロリーは僕に、スラッシュがいかに素晴らしいギタリストであるかを詳しく説明してくれた。そして彼は“彼のためにギブソンのメロディメーカーを見つけておいてくれ”と僕に言っていた。その時点では、機材の多くはまだオーストラリアから航空便で届いていなかったんだけど、幸運なことにメロディメーカーは届いており、ちょうどトラックに積んであったので、僕はそれを持ち込んだ。

ロリーは“おお、彼なら喜んでくれるはずだ”と言っていた。ロリーは、他のギタリストを自分の公演のジャムセッションに招待するようなことがあれば、その人が弾きやすいと思うギターを用意していたんだ。

それで、公演の終わりに、僕らはジャム・セッションの時間だと合図を送ると、スラッシュがやって来たので、僕は“ロリーは君にこのギターをジャムで使って欲しいそうだよ”と言うと、彼はそれを快く受け入れ、ストラップを付けると、“まじか、メロディメーカーじゃないか。なんで彼が(俺が好きなギターを)知っているんだ?”と言っていた。それがロリーだった。素晴らしいジャムだったよ」

[source] guitarworld.com

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