日本の音楽評論家、伊藤政則氏のインタビューを受けたスラッシュが、ガンズ・アンド・ローゼズがニューアルバムの制作を検討していると語った。「アクセル(・ローズ)とダフ(・マッケイガン)、俺、それと(ギタリストの)リチャード(・フォータス)で話し合ったんだ…… 新作にむけてすでに曲作りも始まっている」とスラッシュ。「ただ、ガンズ・アンド・ローゼズの場合、『どれ、やってみるか、こういう感じでいこうぜ』ってわけにはいかない。それじゃうまくいかないんだ。だから厳密には、俺たちが新作を出したいと思ってる、というべきかな。あとはどうなるか、状況次第さ」
ガンズ・アンド・ローゼズは2008年の『チャイニーズ・デモクラシー』以来、アルバムは1枚もリリースしていない。また、アクセルがスラッシュやダフと最後にオリジナル楽曲を制作したのは、1991年の2枚組アルバム『ユーズ・ユア・イリュージョン』となる。コアメンバー3人は2016年、過去のいざこざを水に流してNot in This Lifetimeツアーを敢行。大成功を収めた。「バンドは最高だった。バンドメンバー、スタッフ、ツアーに関わった全員がひとつに調和して、心から楽しんでいた」とスラッシュ。「ファンも素晴らしかった。本当にやってよかったと思う」
ツアーでは新曲は一切演奏されなかったが、スラッシュは「ディス・イズ・ラヴ」「ゼア・ワズ・ア・タイム」など『チャイニーズ・デモクラシー』収録の8曲を、彼らしい独自のスタイルで演奏した。「なかなか楽しかったよ」8月にローリングストーン誌とのインタビューでスラッシュはこう答えた。「おかしなところは一つもない。俺が無理して演奏している、という感じもないしね。楽曲の本質を壊さないようにと心がけつつ、自分だったらこうするな、という風に演奏している」
Not In This Lifetimeツアーは全世界125公演を終え、2018年12月8日にハワイ州ホノルルのアロハ・スタジアムで幕を閉じた。スラッシュは休む間もなく、マイルス・ケネディ&THE CONSPIRATIORSとのツアーに参加。毎回ガンズ・アンド・ローゼズの曲(たいてい「ナイトトレイン」か「ロケット・クィーン」)演奏していた前回のツアーとは違い、今回は新作『Living The Dream』のプロモーションを兼ねている。このツアーは8月まで行われる予定だ。
対照的に、アクセル・ローズの2019年の予定ははっきりしていない。AC/DCとのニューアルバムを収録するという憶測が飛び交っていたが、最近公開された写真を見る限りでは、アンガス・ヤングが新曲のレコーディングのためにブライアン・ジョンソンを呼び戻したもようだ。スケジュールの空いたアクセル・ローズが、スラッシュがほのめかす待望のガンズ・アンド・ローゼズの新作に取り掛かるかどうかは、いまのところまだわかっていない。
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